俳優の身体感覚
自分の身体がどうなっているのか。
腕が左右にあって
脚も左右
ぜんぶバラバラに動く。
足の爪先はどちらを向いている?
膝はどれほどの角度で、どこを向いている?
手の指は揃えているのか、開いているのかな。
どんな姿勢で立っているの?
腰の位置や向きは??
自分の身体のことなのに
正確に捉えられている人は
アスリートやダンサーでもなければ、
そうそういないかもしれない。
「そんなこといちいち、意識もしていないわ」
そんな方も、多いのではないか。
*
俳優には
身体感覚が必須です。
たとえば 酷く愚鈍な役柄を演じるとして。
俳優自身が愚鈍であることとは、決して違う。
最高の繊細さ、鋭敏な感覚を以ってして
愚鈍さを演じるべきだと
言われます。
「役」が無様な振る舞いをする。
そこに、「俳優」としての 的確な身体感覚があるのか。
神経が行き届いているのか。
「その場にゆっくりと崩れ落ちて。」
「振り返って、何かポーズを決めてみて。」
こんなに単純な演出指示であっても
そこに身体的なセンスが利く役者と
そうでない役者には
差がありますよね。
ダンスや殺陣のあるお芝居なら
なおさら複雑だ >_<
*
でね。
『結 -MUSUBI-』の稽古って
「はじめのうちは、
頭も身体もパンパンになりますよ♡」
ってよく言うんだけれども笑
それは
業の多彩さであったり
形を覚えるだけでもいっぱい、
という意味でもあるけれど…
身体と脳の回線を繋ぐこと
…日常生活ではしない動作を、
一挙動にしながら(しかも武器を扱う)
普段は気にも留めない身体の箇所を
ひとつひとつ意識する、
ことになる。
その過程で
脳内回線、混線して ショートしかける!
…という意味でもあるんですよね。笑
それだけに
身体が訓練されるんです。
神経が養われるんですよ♪
で。
そうなりながらも みんな、
「楽しい〜!!」
「もっと覚えたい」
って言うんだなぁこれが。笑
「ひぇ〜、なんとか出来た!」
「あぁ、なるほど!!」
「あっ この感覚か!」
そんな気づきを重ねていくこと
面白いですよね。
(わたしもいまだに、師範に
「なんでできないの??」
「ダサっ!笑」
「へったくそだな〜」
って言われながら
稽古してますわ…笑泣)
実戦の「理合」とともに、
芸の「華」あるスタイルが
『結 -MUSUBI-』ですが
その鍛錬の中で
俳優に必要な感覚・感性が
養われていく。
どんな現場であっても
「芸」を支える力を
ともに 高めていければ
嬉しく思います^^
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