監獄と自由
囚人は自由を夢見る。
晴れて開放された時
その人は
己の自由を生きるだろうか
それとも
広い屋敷でも
大自然の中にあっても
心は監獄の中と変わらぬ陰鬱さに包まれていることに
唖然とするだろうか
自由はどこに在る
自由の世界で
自由に踏み出し手を伸ばさないなら
監獄と同じである
長く鎖に繋がれたサーカスの象は
杭を壊せるほどの力を得てもなお
逃げ出すことはなくなるという
我々に 見えぬ鎖はないか
打ち込まれたその杭に
気付かねばならない
己自身が分からねば
自由は選べない
「お前自身で選べ」
それが責任ある自由である
それが楽ではないから
人は他人のせいにして
仮初に守られた監獄で
自由をくれよと
罵り 嗤い
眠る
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