【天の河伝説】アメノウズメとフォームの世界
新・古事記ミュージカル『天の河伝説』への挑戦
あらためて、感慨深い。
わたしは踊りが大好きだった。
ただし、演技の経験・訓練の方が主だったわたしは
ダンスに対しては
「プロの技術と言えるほどのものは持っていない…」
そんな引け目や怖さもあった。
そんな中
ダンサーの皆さんとともに
様々な場面で踊れたことが、とても嬉しかった。
特に
アメノウズメの踊りの振付を
自らさせていただいたことは、大きかった。
今まで振付など、したことはなかった。
これが
ーーー とても、大切な経験となった。
アメノウズメが
天の岩戸の前で
乳をはだけて踊った時
神さまたちは、大笑いしたという
そんな
非常にセクシャルで
奔放で
愛らしい
生命感溢れる
存在。
キレイでカッコイイだけのダンスには
興味もなかった
奇妙独特なものをやりたかった
壁画が動き出すかのような。
わたしはアメノウズメとして
セクシャルなフィーリングや、
恋にのぼせている時のような、
とても人前では見せないであろうプライベートな「はしたなさ」
それを舞台で、表したかった。
自分で考案したものを提示するのは怖かった
本当に、稽古場では「いつやるの?」って思われたであろうくらい
完成させるまで、グズグズしてしまったし
それから、稽古で踊る度に、ドキドキしていた。
それくらい
怖かった振付・踊り…
それが
踊るほどに
わたしはこの踊りが
大好きになった。
「これが、わたしがやりたかった踊り。」
そう感じられた。
本番で、古武道の師範が観に来てくださった。
師範とは古武道の事のみならず、
いつもアートの話をしている。
その師範が
「良かった。
シルヴィ・ギエムのボレロのようだった。」
と言ってくださった
死ぬほど嬉しかった。
わたしはギエムのような技術など持っていないことは当たり前だ
けれど、強烈に魅了されたのは
あの世界
あのアートだった!!
あの “フォーム” の世界…。
わたしはわたしのやりたかった世界が出来た
それが観ている人にも伝わった
こんなに嬉しいことはなかった!!!
わたし
アートが大好き
どんなに賑やかでキラめいて、認めてもらえるような世界よりも…
「アート」が大好きなんだ。
わたしは
わたしが表したい世界を表したい
「わたしには技術がない」
「わたしは、その世界はよく知らない」
「その道のプロではない」
「自信がない」
「やったことがない」
そんなことは置いておいて
どこか、すでにある業界に “お伺いをたてる” かのような在り方をやめて
わたしがわたしの表現の最先端でありたい
わたしはわたしだけの『道』でありたい
わたし
やりたい
わたし
できる
わたしは
やっていい。
アメノウズメの踊りへの挑戦は
そう感じさせてくれた
本当に大切な、経験となった。
「アメノウズメの踊り、ええなぁ」と
仰ってくれた、旺季さん
稽古でも本番でも、毎回踊りを見守ってくださっていて
踊り終える度に
グーサインを立ててくれたり
アドバイスをくださったりした
香照音(カシオン)さん
同じアメノウズメのシーンを踊ることで
互いに、ドキドキを共有しながら
心の中で励ましあっていたチエコさん
「ダンス、素敵でした。衣装で少しでもお役に立ちたいんです!!」なんて、あまりにも有難すぎるお言葉で、最後まで直しを繰り返し、
美しい衣装のラインを現してくださったリラハピさん
踊りについて、感想を言ってくれたり、声をかけてくれた温かいキャスト・スタッフのみんなに
支えられた。
大切な大切な機会を
ありがとうございました。
撮影:ソガリエさん
0コメント