杖術と夢想権之助について語る。

多くの方にとって、あまり馴染みがないと思われる…

「杖術(杖道)」のこと

語らせていただきます★


杖術が扱う武器は

その名の通り、杖。

木の棒です。

それが

「突けば槍 払えば薙刀 持たば太刀」

と言われる、千変万化の威力を持つのです。



杖術の創始者、夢想権之助(むそう ごんのすけ)は

百戦錬磨といわれたあの宮本武蔵に勝ったとの伝説があります。

権之助は武蔵と、二度も戦っているのですよ!


夢想権之助はもともと、相当な破天荒だったようです。

屈強な身体に派手な衣服を纏う、自信過剰の無法者…。


剣術の腕前は素晴らしく

香取神道流・鹿島神流、それぞれの奥義を極めています。

実際、江戸に出てきて有名な剣客と戦っても、一度も破れることがなかったといいます。


ところが…出会うのです。

最強と謳われる剣豪、宮本武蔵に。


権之助と武蔵、最初の対決。

破れたのは…権之助。


それからの権之助は

剣を捨て(!)

心新たに、鍛錬を積む日々。


窟に籠っての修行の末…

ついに天啓を受けます。

「丸木を以って水月を知れ」


“杖術” が、権之助を通して生み出されたのです。


そして挑んだ、武蔵との二度目の勝負では

権之助が勝利したと

伝えられています。


一度負けた相手に、修行の末もう一度挑む執念。

権之助と武蔵、同じ時代に生きた二人の因縁。

“杖術”というまったく新たな武道を生み出し

ついに勝利したとの伝説。


歴史ですから勿論、諸説はありますが

こんなにドラマティックな物語があるでしょうか☆





また、特筆すべきは杖術の理念です。


「きずつけず 人をこらして 戒むる」


人を殺さず、自分も殺されない。

的確に相手を捕らえ、制する

誰も殺めずして圧倒的な強さを持つ杖術。


かつて無法者と言われた権之助が

最後にたどり着いた境地です。



権之助は「夢想流秘伝」の中で

このように記しているそうです。


我が国においては剣術のみが武術であるとの考えが主流になっている。
しかし、人を殺さぬことを真理とする杖こそが武術の大本となるべきである。
その昔、天地開闢(かいびゃく)のときイザナギ、イザナミの尊が 「天の矛」をもって大海原をかきまぜこの大八卅(おおやしま)(日本国)を創られた。
この「天の矛」こそが棒(杖)であり神国日本の武を代表するものである。
日の神である天照大神も三剣を帯し、武をたいへん尊ばれた。
五常(仁、義、礼、智、信)の道徳を守ることのみでは国を治めることは出来ない。
武も必要であり 武をもって国を治めるには、術が必要である。
よって、ここに一本の棒を用いた術を創立し
志を持つ人々にこの武術を伝えるものである。
剣をもって人を殺すことが武の本来の道ではない。
棒を持つ者は、人を殺さず任を果たし、万事を得ることが出来る様にすべきである。
この書をもってこの様な考えを代々に伝える。

*東京都杖道連盟HPより転載させていただきました。


今この時代だからこそ、深く考えさせられるものがあります。


杖術は現代も脈々と受け継がれているばかりか

日本の警察においては「警杖術」として正式に採用されています。


これほどの存在ながら

夢想権之助という人物も

杖術という武道も

日本人の中ですら、それほど知られてはいません。


宮本武蔵は、海外でも有名ですが…

夢想権之助という人物。

今までスポットが当たっていなかっただけで

実は

日本を代表するヒーローじゃありませんか? ^o^

今だからこそ、あらためて見直されるべき人物ではないでしょうか♪



今の世にも通ずる、大切な叡智は

ほかでもなく

わたしたちの日本が培ってきた精神・歴史の中に

たしかにあるのかもしれませんね(^-^)



2019年

権之助と武蔵、二度目の対決から

丁度、400年が経ちます。



〜 武道 × 芸道 〜

武芸道 結 -MUSUBI-


東京から秋田県小坂町に道場を移転し、田舎移住。

武道と芸道の稽古をしながら「農」に関わり、

半農半士ライフの実践と発信をしています。


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